多椎間腰部脊柱管狭窄症

今回は少し歩くと下肢に激痛が走り、しばらく休まないと歩けない。すなわち連続歩行ができないと(間欠性跛行を)訴えて、遠路はるばる交野市から来院された方のお話です。

72才の男性がインターネットで調べて交野から港区・港晴の当院へ来られました。
10分~15分歩くと右脚痛、脱力感から休まないと歩けず、しばらくして歩きだすと又激痛で歩行中止…という症状を繰り返し、困り果てておられました(間欠性跛行)。
聞くと4~5年前から徐々に進行していたらしく、1年前に右脚の静脈瘤が見つかり他院で手術。それで良くなるかと思いきや歩行困難は進行するばかりだったそうです。

 

多椎間腰部脊柱管狭窄症による間欠性跛行と診断

来院時の患者さんは右脚の不全麻痺と、足首と足の親指が上向きに上がらない状態。MRIで検査の結果、腰部脊柱管狭窄症(多椎間→第3と第4腰椎、第4と第5腰椎、第5腰椎と仙椎の間の3ヶ所)で、それが歩行に影響していて、病名としては「多椎間腰部脊柱管狭窄症」と診断。
そこで先ず保存治療(投薬、注射、ブロック、リハビリテーション)を実施しましたが、効果がみられず、遂に医師・患者間で手術を決意。その為の準備として貯血(輸血の為に本人の血液を貯蓄)も必要で、週1回400ccを3回、計1,200ccを貯血して初診から2ヶ月後の6月初旬に手術となりました。

 

椎弓切除術&椎体間固定術&骨移植術

術式は、まず圧迫された3椎間の脊髄の除圧(椎弓切除術)を施行し、次に3椎間の後側方への骨移植術を行い、そのあとで移植骨が癒合するまでの間、椎間部が動かないように金属(チタン製)で内固定するものです(椎体間固定術)。もちろん全身麻酔で患部が長いため出血も多く、約10時間に及ぶ大手術でした。
入院は3週間(患部が短いと2週間)で、その後は週1回のリハビリに交野から通院されました。
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セカンドオピニオンも大切

当院を頼ってこられる遠来の患者さんは、あちこちの病院を転々とし、時間の経過と共に症状が悪化して治療が困難な状態で来院というケースが少なくありません。 分かりにくい病気を的確に診断してもらうには、患者さんは自分の体の変調や症状を詳しく医師に話すこと。その上でMRI等の検査はもちろんですが、患者さんの様子や話の内容から医師が様々な病気を疑ってみる、すなわち医師の(病気に対する)洞察力も大きな要因ではないかと考えます。
近頃はセカンドオピニオンの必要性が言われていますが、痛みや病状が緩和されない場合は他の医師の診断を受けてみる事も大切でしょう。手遅れにならないために。